今年のおすすめの本
今年のおすすめの本、2冊をご紹介します。
1.『自衛隊最高幹部が語る令和の国防』
著者
岩田清文 元陸相、陸上幕僚長
武居智久 元海将、海上幕僚長
尾上定正 元空将、航空自衛隊補給本部長
兼原信克 元内閣官房副長官補、国家安全保障局次長
新潮新書901 2021年4月20日発行
本書は陸海空の元自衛隊トップ三名と安倍政権を支えた兼原氏のぶっちゃけトーク本です。出版から2年が経過しロシアの立場や防衛費の増額など少なからず変わった点はありますが、日本の周辺各国や台湾のそれぞれの立場や伝統的思考方法などがよくわかる貴重な本です。最近よくニュースで取り上げられる「インド太平洋構想」。例えば、インドの立場から見た軍事同盟とはどのような意味合いで、何を求められるのかなど。マスメディアでは取り上げられることのない深い内容ばかりです。271ページの薄い本ですが、日本のおかれた現状を知るうえで一読しておきたい本です。
2.『世界をつくった6つの革命の物語』新人類進化史
スティーブン・ジョンソン著 大田直子訳 朝日新聞出版 2016年8月初版
本書ではガラス・冷たさ・音・清潔・時間・光の6つに関連した発明を取り上げ、各々の歴史的発明からその発明から派生した人類の新しい生活様式について書かれています。私自身、前々からもし世に中にガラスがなかったら、昼も真っ暗だし網戸にするしかないか・・自動車も前面にガラスがなければ高速走行は難しいし・・など思っていました。
第一章のガラスの内容は、エジプトのツタンカーメン王の装飾品にあるガラスでできたコガネムシの飾りから始まります。このガラスは隕石由来で、隕石がリビア砂漠に衝突した衝撃と熱で出来たものだそうです。その後、トルコ人によるガラス加工からレンズ、眼鏡、顕微鏡、光ファイバーといったガラスを応用した進化の過程が記されています。今のネット社会では、この光ファイバーと第6章の光で出てくるレーザー光の組み合わせで成り立っています。
300ページほどありますが、全体的に読みやすい本です。発明当初は、その発明内容が瞬時に全世界に広まることは少なく、時代背景や他の発明と組み合わせて開花するということ、昔の人がどのような問題に対処していたのか、どのような解決法を取ったのかということが、よくわかります。
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