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2017年12月27日 (水)

今年のおすすめの本

今年も残りわずかとなりました。広島市立図書館からお借りした本の中から印象に残った5冊をご紹介します。

1.「鈴木大拙全集 第5巻」昭和43年9月 岩波書店
鈴木大拙氏は、大正時代から昭和40年頃にかけて、仏教と禅について英語で欧米に紹介した偉人です。著書多数。
海外で広く読まれている禅論文集「Essays in Zen Buddhism vol.1-3」のうちのvol.3の邦訳が、この全集第5巻の前半部分に掲載されています。般若心経の「空」華厳経の「発菩提心」について、わかりやすく解説されています。金剛般若経、楞伽経などの解説も。
昔の漢字と文語体で書かれているので、年齢の若い方はちょっと読めないかもしれません。時間をかけてゆっくり読むと良いでしょう。
2.「人生に生かす禅」小林義功著 致知出版社 2011年11月初版
「公案」っていう言葉を聞かれたことがあると思います。禅(臨済宗)の修行僧(雲水さん)に対して、お寺のお師匠さんが出す問題のこと。「狗子(犬)に仏性有りや無しや?」など、一般人が聞くと答えのないナゾナゾのようですが・・公案とは、雲水さんが悟りを開くきっかけをもたらすための問いかけ。
巷には、無門関を代表とする公案の解説本が数多く出版されていますが、最終的な答えが掲載されている本はほとんどありません。「自分で考えなさい」と。その中で本書は、答えの一例とその解説が一般の人にわかりやすく書かれてあり、「こういう意味だったのか!」と読んで納得できる貴重な本です。
公案すべてではありませんが、一読されると人生が一変するかもしれません。「御仏は、私たちと共に、自身の心の中にいらっしゃいます。」と、いうことのようです。(キリスト教の場合は、「神は、あなたの隣人として、常にあなたの目の前に現れます。」だったと思います。)
「義功和尚の臨済録」も、わかりやすい解説でおすすめです。前述の「狗子(犬)に仏性有りや無しや?」については、柳田聖山著「禅と日本文化」(講談社学述文庫707)の「無字のあとさき」に詳細があり納得させられます。
3.「世界を操る支配者の正体」馬渕睦夫著 講談社 2014年10月初版
著者は、元駐ウクライナ大使です。本書は、一般のメディアが伝えない世界情勢や、過去200年間の歴史の裏事情、アメリカの名を借りた国際金融勢力の目標、ロシアのプーチン大統領の思惑、日本の今後のとるべき方針などが、著者の豊富な人脈、見識をもとに詳細に記載されています。
世界グローバリゼーションの目指す最終目標とは?ロスチャイルド家、米国連邦準備銀行、ユダヤ民族の目指す世界平和などがキーワードになりますが、ページをめくるごとに、まざに目から鱗。本書を読んだ後は、世界観が変わるかも。「国難の正体」など著書多数。
4.「伝説の英国人記者が見た日本の戦争・占領・復興1935-1965」ヘッセル・ティルトマン著 加瀬英明訳 祥伝社 2016年8月初版
著者は、イギリス「デイリーエクスプレス」紙の特派員として昭和10年に来日。戦前、戦中、戦後の復興時期を経て昭和40年まで日本に滞在。「日本外国特派員協会」の会長を務め、幾多の重要人物と親交を深めます。本書は、日本の激動の30年を、外国人ジャーナリストとしての公正な視点から観察した記録です。1965年に新潮社から出版された「日本報道三十年」の復刻版です。
226事件、満州での取材、マッカーサー、吉田茂首相との思い出や、実際に著者の肌で感じた日本と、諸外国から見た印象との違いを取材当時のメモを振り返りながら、回想録としてわかりやすく書かれています。
5.「ダレス兄弟」スティーブン・キンザー著 渡辺惣樹訳 草思社 2015年11月初版
副題は、国務長官とCIA長官の秘密の戦争。第二次世界大戦末期から約10年間、アメリカ外交を主導したダレス兄弟の実話。大統領直属の政治工作部隊としてのCIAの活動の実態、気に食わない独裁国家の転覆をいかにして気づかれないように成し遂げるかを赤裸々に記載したノンフィクション。
イラン、グァテマラ、ベトナム、インドネシア、コンゴ、キューバの実例6か国で解説。アメリカの行動原理、外交とはいかなるものかが、よくわかります。
また、中南米の視点からアメリカ外交を見てみるのも面白いかも・・キューバ、カストロの片腕の革命戦士「チェ・ゲバラ伝 増補版」三好徹著文春文庫もおすすめです。

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