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2015年12月

2015年12月24日 (木)

紅茶のテイクアウト始めました。

Takeout当面平日のみ。お値段は、現在の喫茶メニューから100円引いたお値段で実施します。
220円・・・セイロンティー(ディンブラ)
250円・・・ニルギリ、ヌワラエリヤ、アッサム、ケニヤ、キャメロン(マレーシア)、アールグレー、ローズフレーバー
300円・・・ダージリン、ウバ、キーマン、ロイヤルミルクティー(ホット、アイス)、アイスティー
350円・・・アイスアールグレー、カルダモンチャイ
対象商品は、ティーポットでのバリエーションティーを除いたストレートティー各種と、「他店とふた味違う逸品」です。土日祝日の実施とコーヒー類は、需要を見つつ・・ということで。ケーキ、サンド類は、保健所の指導により不可です。店舗面積が狭いので菓子製造の営業許可が取れません、まことに申し訳ありません。

ここ3年ほど、コンビニ各社のコーヒーテイクアウトが大流行ですが、紅茶は・・
セブンとポプラ・・メニュー自体がありません。
近所のローソン袋町店では、先週、まちカフェメニューから紅茶が消えていました。
ファミマは、ティーバッグ100円がありますが、コーヒーマシン付属の給湯設備でお湯をカップに注ぐようです。熱湯100度が注げないことは明白です。
需要がないのか、やる気がないのか、美味しくないのか、値段なのか、抽出時間なのか・・・最近、○○のお店の紅茶はまずい・・という噂話は聞かなくなったので、飲食店のレベルは上がったのかなぁとも思いますが、上記のコンビニの現状を見ると、まだまだ開拓の余地がありそうです。

自店特許取得時に、UCCのお客様相談室と電話であれこれお話をしたことがあります。コーヒーに比べて、紅茶の場合は香りが繊細なので、紙コップの臭いが大きく影響するということでした。あれから15年。ふた付き、耐熱、エンボス加工など様々な紙コップも登場し、ようやくテイクアウト紅茶の基礎ができた感じがします。少量の紅茶を作るノウハウは、国内ではたぶん自店しかもっていないので、20周年ということもあり新たなチャレンジをしようと思います。よろしくお願い申し上げます。写真の紙コップは、あまりおしゃれなデザインではありませんが、カラーインクの臭いが強いと紅茶に影響しますのでご了承ください。

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2015年12月20日 (日)

今年のおすすめの本

今年も残りわずかとなりました。
中央図書館からお借りした本から5冊ご紹介します。
1.「日本の民家」今和次郎著 岩波文庫1989年3月初版
今和次郎氏は、「遠野物語」で有名な柳田國男氏と共に全国の民家を調査した人で、この本の初版はなんと1922年の大正時代。出版社が何度かかわり、文章も読みやすくなって岩波文庫から復刊されました。
本に出てくる民家は、宿場町の町屋から全国の農山漁村など68箇所の気候風土に合わせた特徴ある家ばかり。びっくりしたのは、広島大野町の農家の間取り。私の母の実家とそっくりで設計者が同じでは?と思うほど良く似ています。住んでいる土地ごとに調達できる材料や、伝統的な間取りは決まっているんですね。宮崎県椎葉村の民家や伊豆大島、八丈島の家、大阪堺の町屋など非常に興味深い家の作りがありました。。約100年前に書かれたとは思えないほど今氏のイラストは素晴らしく、現地を訪れたい衝動に駆られます。
2.「宇宙飛行士が教える地球の歩き方」 クリス・ハドィールド著 早川書房2015年2月初版
カナダ出身の宇宙飛行士で、シャトルで2度、ソユーズで1度の計3回宇宙を往復し、国際宇宙ステーションの船長も務めた著者。NASAやロシアのスターシティーでの訓練の様子や宇宙飛行士の考え方、ソユーズとシャトルの違いなどを詳しく語ります。ハドフィールド氏が出演するカナダ宇宙庁やNASA編集のユーチューブが、ネット上に多くあります。国際宇宙ステーションでの生活の様子や、各種の実験に興味のある人はぜひご覧ください(英語です)。週刊モーニングの人気漫画「宇宙兄弟」そのまんまの感じです。
3.「リーダーシップ アメリカ海軍士官候補生読本」アメリカ海軍協会 日本生産性本部 武田文雄・野中郁次郎共著
1959年に米国海軍士官候補生に向けて書かれた本です。日本版は昭和56年第1版、2009年に新装第2版が出版されています。
リーダーシップとは?、上司、部下との関係、組織はどうあるべきか・・など。軍隊だけでなく、日本の会社組織にも十分に通用する本です。艦船での組織運営や、捕虜になった際の心構えなども掲載されていますから、関係ない章は読み飛ばしても構わないでしょう。もしかしたら、会社の管理職に昇進したら、テキストとして使用されているのかもしれません。
4.「日本人にとって聖なるものとは何か」上野誠著 中公新書2015年1月初版
副題「神と自然の考古学」。奈良大学の文学部国文学科で、主に万葉集を研究されている上野教授。
ラジオ深夜便にも定期的に出演され、楽しく解かりやすい口語訳、意訳が好評です。多くの著書がありますが、今回の新書は、日本独特の自然観、八百万の神と他国の一神教との違い、古事記、日本書紀に見る神と天皇との関係などを掘り下げていきます。広島県の神辺、佐伯などの名前の由来もわかり、本書を読むことで、古代日本をより身近に感じられるようになります。日本は歴史が長く自然災害の多い国だと実感します。
5.「中国山地 上下」中国新聞社編 1967年11月 未来社発行
昭和40年代前半の中国新聞の連載記事。後に昭和59年に続編、その20年後に再び特集を組まれています。
高度成長の時期ですが、中国地方の山村では昭和38年豪雪災害の直後。国鉄可部線が三段峡まで間もなく延伸、三江北線と南線がつながろうとする時期。国道54号線の赤名トンネルが開通し、中国自動車道が計画されようとする、今から約50年前のお話です。
三段峡のロープウェー設置計画などは実現しませんでしたが、明るい未来を夢見ていた時代です。戦後の入植者の苦労も数多く描かれていますが、先進的な試みも行われています。広島県作木村では、昭和9年に早くも西洋梨の栽培に取り組み、戦後間もなくの砂谷乳業の創業。岡山県蒜山での乳牛飼育も、ホルスタイン種に代わり、坂道に強いジャージー種を取り入れたり、山口県徳佐では、国号9号線の整備を受けて観光りんご園を開始。中国新聞社として約20年ごとに特集を組むごとで追跡調査も行われ、取り組みの成果も知ることができます。島根県匹見町のわさび栽培は、輸入品に押され頓挫。広島県神石高原の野菜栽培、高野町のリンゴの産地直送は今も継続中です。住建産業の吉和村の開発は、スキー場、美術館、別荘リゾート施設へと発展中。戦前のたたら製鉄の衰退から、炭焼きへ、炭から化石燃料へ。また、荷馬車が自動車へ、役牛が耕耘機へと転換する時期と重なります。試行錯誤しつつ、置かれた状況で何ができるか、中国5県の山村の産業の変遷を知ることができます。広島県加計町の名は、たたら製鉄で財を成した加計氏の名前が由来でした、初めて知りました。

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