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2013年12月

2013年12月31日 (火)

今年のおすすめの本

今年も残りわずかとなりました。
中央図書館から借りた本から、新旧あわせて7冊をご紹介します。
1.「神の汚れた手」曽野綾子著 朝日新聞社ほか多数
  昭和54年朝日新聞の連載小説。神奈川県の産婦人科医を主人公に、日本での中絶手術の現状について考える。同時に、著者のカトリック教徒の視点から人工授精や養子縁組なども織り交ぜながら話が進みます。自然分娩で生まれることが如何にまれな貴重なことか、命の尊さについて考えさせられます。
2.写真集「蒸気機関車百景」藤田弘基著平凡社発行 2013年2月初版
  藤田氏は山岳写真で有名です。今回の写真集は、昭和の時代に藤田氏が撮影したポジをデジタルリメイクした復刻版です。映画のリメイクはよく話題に上りますが、写真集の世界もリメイク版で鮮明な画像が見れるようです。全国各地、四季折々、見ていて飽きません。数年前のNHKラジオ深夜便で蒸気機関車の運転士のお話がありました。運転士は、一見カッコよさそうな職業ですが蒸気機関車を走らせるのはとても過酷な作業だったそうです。急坂での苦労や、戦後の石炭の質が悪かった話。長いトンネルなどでは酸欠で呼吸困難になり、運転士が死亡するなど・・。「電気機関車に変わり、職場環境が格段によくなりました。」とお話されていました。
3.「栃と餅」野本寛一著 岩波書店 2005年6月初版 (2013年9月のBLOGに掲載済みです)
  副題「食の民俗構造を探る」。著者は、近畿大名誉教授、柳田國男記念伊那民俗学研究所の前所長。縄文時代以降、日本人が何を食べてきたのかを、丹念に現地調査。全文が、全国津々浦々、明治大正昭和を生きた現存する皆様からの聞き取り調査とその考察です。例えば沖縄県や長崎県の離島、宮崎県椎葉村、長野県伊那地方など。広島県で言えば旧比婆郡東城町など。訪問先は観光地ではありませんので、移動だけで丸1日ってこともあるでしょう。休みのない小旅行の連続だったことと思います。いかにして年間を通じ食料を確保し、日本人が何を食べて今日まで生き抜いてきたのか。題名の「栃」に限らず、これまで聞いたことのない植物のあく抜き法や動物や昆虫の食べかた、年間の動植物の旬が記載されています。知恵の宝庫。特に冒頭の「日本のおもてなし」の心は、一読の価値があります。本の内容は、日本全国の山村では数十年前ではあたりまえにあった行事や農作業ですが、「いま記録しておかねば正に絶滅寸前」のお話ばかりです。中央図書館からお借りした本ですが、「食文化」のジャンルなのであまり人目につきません。願わくば「料理コーナー」に。多くの若い人の目に触れることを希望します。
4.「自然災害と民俗」野本寛一著 森話社 2013年3月初版
 前述の著書と同様、小旅行での聞き取り調査(フィールドワーク)から、日本人が自然災害に如何に向き合って暮らしていたかをまとめた本です。地震、津波をはじめ火山噴火、台風、洪水、雪など、民話、口頭伝承で今に伝わる(消えてなくなりそうな)貴重なお話ばかり。自然の猛威と向き合う姿勢や国土利用のあり方を検討するべきです。
例1.「波切」「浪分」など地名、神社名はかつての津波でその地点まで押し寄せていたことを意味します。例2.根雪の上に積もった新雪(ワカユキ)の上を横断する時は、(すばやくカンジキを脱げるように)カンジキのかかと紐の部分を結んではいけない。青森のマタギの口頭伝承。人間は遠い過去の災害は忘れてしまう生き物らしいです。温故知新。
5.「地球のごはん」ピーターメンツェル・フェイスダルージオ共著 TOTO出版 2012年3月初版
  副題「世界30カ国80人の”いただきます!”」。地球家族シリーズの4作目。世界中の人たちの営みを、写真と取材記事で読者に届け、あるがままを感じてもらう企画。第3作は、世界24カ国の家族の1週間分の食事内容でした。今回は、様々な職業に携わる80人の1日の食事内容を取材。宇宙飛行士から路上生活者まで。マサイ族の牛追い(1日800Kcal)に始まり、間食の多い母親(1日12300Kcal)まで。地球家族の各シリーズは1冊3000円前後なので、一家に一冊とはいえませんが、皆様には是非とも1回は見ていただきたい本です。世界30カ国の家具と生活内容を取材した第1作は、お店に常備しています。誰も見ませんが・・。
6.「津軽の野づら」深田久弥著 大活字本・埼玉福祉会 1997年
 深田久弥氏は有名な日本百名山の著者。山関連の本しかないと思ったら、本書は昭和10年発表の小説です。実際には、当時お付き合いされていた北畠八穂さんの作品を氏の名前で発表しているようです。本の内容は、戦前の青森に暮らす女性の成長のお話。漢字の使い方や送り仮名、青森弁など、慣れないと読みにくい点もありますが、今にないのんびりとした作風でハッピーエンド。読後にホッコリ感が残ります。新潮文庫で版を重ねていたようですが、今は中古品をネットで手に入れるしかないようです。北畠八穂さんは、氏と別れた後、児童文学の分野でご活躍されました。代表作、ちょっと悲しいお話「鬼を飼うゴロ」ちょっと楽しいいたずらっ子のお話「ジロウ・ブーチン日記」いずれも角川文庫。それぞれの物語に出てくる田舎の山の一軒家は、八穂さんの祖母の実家がモデルのようです。
7.「起業はGO IT ALONE」ブルースジャドソン著 細谷功監修 亜紀書房 2013年9月初版
  副題は「最小投資・最小人員で大きく成功する方法」。ネット社会で起業を志す人に是非。ポイントは事業の絞り込みと、究極のアウトソーシング(外注)。著者自らが起業人であり説得力があります。世間での起業にまつわる一般常識は、全く参考になりません。アメリカの企業名がたくさん登場しますが、あまり気にせずに。要点だけお読みいただけたら、今の日本でも、また実店舗での起業でも十分に参考になります。皆様の新規事業の参入をお待ちしています。

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2013年12月25日 (水)

広島のガイドブック「広島本」本日発売です

広島の魅力満載のガイドブック「広島本」。
本日発売です。
カラー120ページのA4サイズ。発行は東京都世田谷区のエイ出版社。
定価850円+税、書店、セブンイレブン、ローソンなどのコンビニで。

自店も30ページの中ほどに掲載されています。
紅茶の美味しいお店ということで、タルトタタン、シフォンケーキなどとあわせて紹介されています。そのほかのお店では、同じ広テレプラザビル1階の独楽(どくらく)さん、ケーキのムッシムパネンさん、流川の天津さんなど。短期間の東京からの出張取材にもかかわらず、内容は地元広島人も知らないことが多いです。歴史、観光、グルメ・・、取材範囲も宮島、尾道、西条など広範囲で驚きの内容です。地元住人ではないから、かえって広島の良さが発見できたりするのかもしれませんね。
取材スタッフの皆様、ありがとうございました。

これで全国紙レベルの自店掲載は、JTBのガイドブックとあわせて2冊になりました。

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