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2013年4月20日 (土)

フランス「オテルタタン」のレシピと失敗をしないための改良点

前回BLOGの続きです。
フランス「オテルタタン」のレシピ
1.特別な道具の準備
型として直径30cmくらいのオーブンに入る厚手の深めのフライパンまたは片手鍋。
ホテルでは1960年代の、現在は製造されていないフランス料理で使うソトワール(片手ソテー鍋)を使用。底が厚手なので、カラメルがきれいにできて焦げ付きません。
2.りんごの選定
煮溶けず、酸味がしっかりしたもの。フランスのりんごで言えば、ラレーヌデレネット種(黄色)、ロワイラルガラ種(赤色)。1年中あるものだったら、酸味がしっかりそこそこある黄色いゴールデン種。本の写真を見た印象では、日本で言えば黄色は王林、赤色はジョナゴールド、むつなどが相当します。いずれもゴールデンデリシャスを親にもつ品種です。

3.パイ生地
(パイ生地の材料)出来上がり量450グラム、このうち420グラムを使います。
無塩バター125グラム、薄力粉250グラム、グラニュー糖20グラム、塩2.5グラム、全卵を溶いたもの37グラム(約4分の3個)、水少量約大さじ1
(作り方)1.バターは冷やしておき、粉類はふるっておきます。
2.ボウルに、バターを小角に切って入れ、粉類をいれ、手でそぼろ状にすり混ぜます(リブイン)。卵を加え、練らないように軽く混ぜます。
3.2.に、粉っぽさ加減を見ながら冷水を少しずつ加えます。全体がなじんだらひとつにまとめ、ラップで包み、冷蔵庫で最低30分休ませます。
本にはブリゼ生地と記述されていますが、イギリス風に言えば、リッチショートクラストペイストリー。自店で使用している生地とバターの量が違うだけで、基本的には同じものです。

4.タルトタタンの作成 
直径30cmの厚手鍋1台分(6人前だそうです。日本では12分割する位の大きさ)
(材料)りんご3キロ、無塩バター200グラム、グラニュー糖150グラム、パイ生地420グラム、鍋の内側に塗るバターとグラニュー糖適宜。パイ生地を伸ばすときの打ち粉(強力粉)適宜
Hoteltatincake1(作り方)1.バターを5mm幅にスライス、オーブンを220度に予熱。りんごは、皮をむき芯を取り、12分割、小さく切り過ぎないことがポイント。
2.鍋の底と側面にバターをたっぷり塗り、グラニュー糖を満遍なくまぶしつけます。更に、1.のバターとグラニュー糖、りんごを入れます。
3.パイ生地を5mm厚にのばします。鍋の直径よりもわずかに大きくのばし、鍋にかぶせます。鍋の縁からはみ出た部分を、内側に指で押し込みます。
ーーーこの状態まで作っておき、お客様のオーダーを待ちます。---
4.3.を予熱したオーブンに投入。(写真ではガスオーブンのようです。)220度で15から20分。りんごから汁が出てタプタプ。パイ生地が多少焦げても気にしません。
Hoteltatincake2 5.4.をオーブンから取り出し、ガスコンロにかけます。強めの中火でりんごの果汁を煮つめます。時々型をキュッと回してりんごと生地を鍋肌から離します。汁気がわずかに残る状態まで煮つめますが、完全に煮汁がなくなってはダメ。火を止めて1時間ほど冷まします。どんどんボリュームダウン。(パイ生地の高さが鍋の半分程度まで下がります。)
6.食べる直前に、5.を強火にかけ、絶えず型を回しながら少し残した汁を手早くカラメル状に煮つめます。型の中でタルトが回りにくくなったら、お皿をかぶせそのまま手早く返し、お皿に移します。このときのカラメルの色は濃い赤褐色。

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実際にこのレシピで、10時3時のお店で焼いてみました。
鍋・・お店の21cm雪平鍋。柄の部分が木製で、木ねじ2本を外せばオーブンに入ります。タタンホテルの30cmソテー鍋と比べると容積でほぼ半分。
りんご・・王林。中くらいの大きさで6個、1.5キロ使用しました。
1回目・・タタンは経験値が必要なケーキなので失敗覚悟でまず1回目。
パイ生地をつついていると、段々破れてきて、ヤケドするし・・。りんごもひっつかないし、途中で分解したので大失敗。恥ずかしいので写真無し・・。

Hoteltatincake3

2回目・・問題点を洗い出す意味で、ケーキの状態を探りつつ、慎重に2回目。何とか食べれそうなタルトができました。
問題点1.自店の電気オーブンは火力不足。パイ生地は焼けますが、焼き時間20分ではりんごに火が通りません。
2.りんごの凸凹に合わせて、パイ生地も焼きあがったら凸凹に。また、鍋の側面にテーパがあるので、りんごと離れて浮いてきます。りんごのボリュームが高さ半分まで徐々に煮詰まるのに対し、パイ生地はオーブン取り出し時の高さで焼きあがります。パイ生地の縁を小さくするべく、箸でつついてると水分を吸ってヨレヨレに。
3.オーブン内で十分にりんごに火を通さないと、ガスコンロで煮つめる時間が長くなり、結果的に鍋肌に引っ付かないようにタルトをつつき回す回数が増えてしまいます。りんごが分解する原因に。
4.使用した雪平鍋は、油料理で使い込んでいないので、やっぱり油がなじんでいません。鍋底にりんごが焦げて、仕上げにお皿に返すときにどうしてもひっつきます。かといって、果汁が残っている状態でひっくり返すと、100度以上のカラメル液が飛び散って大変危険です。また、鍋底からは外れますが水分が多いので、再びオーブンで焼きなおす羽目に。パイ生地が水分を吸ってしまい、タタンの特徴であるパリパリ生地になりません。

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失敗しないための改良点。
1.オーブン投入時間を倍に・・・これまでの経験では、りんごを電子レンジで20分から30分加熱した後、190度のオーブンで35分焼いていました。1時間程度の加熱が必要と思われますので、220度で1時間でTRY。
2.オーブンペーパーの活用・・・鍋底に敷いて焦げ付き防止。側面も半分程度をオーブンペーパーで覆うことで、バターとグラニュー糖の摺り込みを省略しました。100円ショップで販売している商品には、耐熱温度が220度20分の商品と250度20分の商品があります。220度で1時間焼きますので、耐熱250度の商品を使いましょう。
3.パイ生地をのせるタイミングをずらしました・・オーブン投入時ではなく、りんごだけで30分焼いて、ある程度りんごに火が通ったら、表面をフォークなどで少し平らにしてパイ生地をかぶせます。鍋が大変に熱いのでヤケドにご注意ください。途中からパイ生地をのせることで、焼成時の凸凹と、ガスコンロの作業での浮き上がりを防止できます。220度のオーブンでりんごは1時間、パイ生地は正味30分焼くことになります。
4.バターの量を半分に・・少し日本人の味覚には、バターが多いようです。
5.りんごの切り方を、縦方向に12分割に・・本の写真では、四角く切ってあるので、ダイス状に12分割にしていましたが、りんご同士が離れやすいようです。縦方向に切ることで、絡みやすく分解しにくくなります。
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ということで3回目。成功しました。
まとめますと・・
(作り方)1.りんご6個(1.5キロ)を、皮と芯を取り、縦方向に12分割します。
2.直径21cm雪平鍋の柄の木ねじを外します。耐熱250度のオーブンペーパーを、底面と、側面が半分程度カバーできるくらいに敷きます。
3.2.に1.を入れ、小さく刻んだバター50グラム、グラニュー糖75グラムを投入。
4.オーブンを220度に予熱後、3.を30分焼きます。
5.パイ生地を直径20cm程度にのばします。
6.4.が焼きあがったら、りんごの表面をフォークで押さえ表面を平らにします。ヤケドしないようにりんごの上に5.をかぶせます。再び220度で30分焼きます。
7.6.が焼きあがり、鍋を取り出したら、2.の柄をヤケドしないように取り付け、ガスコンロの中火にかけます。グツグツと果汁が煮えますが、徐々に水分が減ってきます。音が徐々に小さくなり、鍋を傾けたときに見える果汁に濁りと粘度がでてきて、トロリッとする状態で、火を止めます。水分量や火力によりますが、経験値で約10分。(ご参考までに。)オーブンペーパーを敷いているので底にりんごが引っ付くことはありません。時折、タルト全体をペーパーごと回す程度でOK。ガスコンロでの作業中は、果汁の煮える音の変化や、鍋の柄から手に伝わる振動をよく感じ取ってください。ブクブクからグツグツ、チリチリ・・。
8.1時間休ませます。徐々にタルトの高さが下がり、オーブン投入前のりんごの高さの約半分になります。
Hotertatincake4 9.再び、8.をガスコンロにかけます。今度は強火で。グツグツ音は消え、チリチリと砂糖が焦げる音がしてきて、鍋を傾けても果汁が流れて来なくなります。チリチリからジリジリ、ジジジジ・・鍋底が焦げてくるとオーブンペーパーがひっつきますので、間もなく終了の合図。カラメルの焼ける臭いがしてきたら、終わりです。ヤケドしないように、用意したお皿にひっくり返します。オーブンペーパーを取ったら出来上がり!
やけ具合が不足気味でしたら、オーブンレンジのグリル機能で追加で焼いてみましょう。
10.粗熱が取れたらカットします。鍋は、水にしばらく浸けておくと洗い易いです。りんごがしっとりしていてとってもジューシー、味もしっかりと残っています。1ピース200円です。お早めに・・。

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