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2012年12月27日 (木)

今年の印象に残る本5冊

今年も残りわずか、あわただしく年末が近づいてきました。
今年1月から11月にかけて中央図書館から借りた本の中から、オススメしたい5冊をご紹介します。

1.CDブック 「大拙 禅を語る」鈴木大拙著 アートデイズ発行 2006年
  副題に「世界を震撼させた3つの英語講演」とあります。
  著者は、仏教全般と禅について、英語で、主に欧米で活動された人。
  私が生まれる前に、既に亡くなられています。略歴はこのあたりを・・。
  http://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/about.html
  この本では、3つの英語講演の内容が、英語と日本語で書かれています。
  1.禅の哲学について
  2.キリスト教と仏教
  3.浄土真宗と禅宗
付属のCDでは、1.の1958年の米国の大学での講演内容を聞くことができます。約70分間。(仏教の全般的な流れと禅の位置づけについて。)カセットテープ以前のオープンリールの時代のテープでしょう。肉声が聞けるなんて感激しました。わかりやすい英語の講演内容を、日本語に逆輸入した形なので、とても理解しやすい内容です。開眼するかも・・。そのほか「禅」工藤澄子訳 ちくま文庫などもオススメです。著書多数、殆んどが英文の日本語訳です。

2.「ブランドの誕生」田村正紀著 千倉書房2011年12月初版
  副題に「地域ブランド化実現への道筋」とあります。全国各地の特産品を「地域ブランド」に育てようという動きが最近盛んです。お土産品に限らずB級グルメとよばれる地域独特の食べ物で「町おこし」というのも同様です。しかしながら、必ずしも全てが成功しているわけではありません。神戸大学名誉教授の著者が、成功例を踏まえながら「地域ブランド化」への夢を実現する過程を論じたものです。特産品ではありませんが、新しくお店を出されるときにも、とても参考になると思います。顧客満足とは何か。特に第4章「試買市場から常用市場への途」は、お店を継続、発展できるかどうかの鍵が書かれていて興味深いです。

3.「人工心臓に挑む」後藤正治著 中央公論社中公新書850 1987年9月初版
  スポーツノンフィクション作家で有名な後藤氏が、ライター初期に手がけた作品。人工臓器の中で、最も難しいとされる人工心臓に挑戦する実話です。故障が即死に直結する人工心臓。全く見本のない中での試作品開発。工学と医療とのせめぎあい。血栓症との無限の戦い。賞賛と非難の応酬・・。米国2箇所と東大で、それぞれの研究チームが独自に開発し、コンセプトの違う3種類の人工心臓が出来上がるところがユニークです。また、心臓の役割が単なる血液ポンプではなく、ポンプ以外の様々な働きをしていることが心臓を完全に取り外し、人工心臓を埋め込むことで明らかに。その過程も大変に興味深いです。

4.「賢い身体 バカな身体」桜井章一・甲野善紀共著 講談社2008年2月初版 
  桜井氏はマージャン20年負け無しの勝負師。甲野氏は古武術で有名。本書の内容は、2人の対談を実際に読んでいただいて「感じてもらう」以外にありません。現代社会に何が必要なのか、マスメディアで取り上げにくい内容ばかりです。キーワードは、「長所即欠点」「部分より全体」「考えない」「偶然は必然」わかるかな?

5.「弓と禅」オイゲン・ヘリゲル著、稲富栄次郎・上田武訳、福村出版 1973年11月
  著者は、ドイツ生まれ。戦前に東北大学の哲学の講師として来日、滞在中の6年間に弓道の修行を積まれ、段位5段を取得し帰郷。ヨーロッパでは、日本文化の紹介者として有名だそうです。私は弓道の経験はありませんが、タイトルの通り、弓道と禅は深い関係にあるそうです。技術的に矢を的に当てるのではなく、無の境地で「それ」が現れた時に、矢、的、弓、射手が一体となり、的の中心を射るのだそうです。修行中、著者の思う通りに進展が無いときに交わされる師範と著者の会話は、まさに禅問答です。驚くべきは、物事を全て言葉に置き換える習慣のある西洋出身の著者が、言葉を超越した存在である「禅」を理解し、噛み砕いて、自身の体験として母国語で表現している点です。改訂版も出ているそうですが、今回借りた中央図書館の本は古い本で、漢字が旧字体で書かれています。20代の人は読めない漢字がたくさんあるのではないかと思います。

12月に入り、目の調子が悪いので、図書館の往復も中止。パソコンも昼間は閉じたまま。雨の日や夜に限ってようやく30分程度だけ画面が見れるくらいです。年を重ねるごとに、体調も悪くなり、できることが減ってきます。日々を大事にしたいものです。皆様も、お体を大切に。良い年をお迎えくださいませ。

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