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2011年6月21日 (火)

「極める!紅茶学」第3回 国内産紅茶

「極める!紅茶学」第3回の放送は、紅茶の製造、酸化発酵のお話でした。
お客様も、スクールの生徒さんも、みなさまよーく知っています。
「紅茶もウーロン茶も緑茶も、同じ葉っぱで製造過程が違っていて・・・」
これは、純粋に知識としてのお話。紅茶インストラクターさんなどが好んで取り上げそうなお話ですが、別に覚えなくても、パソコンで調べればわかること。酸化発酵についても、同様です。ここでは、別のお話を。放送中に、少し気になった点を2つほど・・

1.ベストシーズンとクオリティーシーズン
この2つの言葉を混同されていたようです。
クオリティーシーズンとは、1年のうちで最も高品質の茶葉が収穫される時期のこと。例えばダージリンだとセカンドフラッシュ。これに対し、ベストシーズンとは、1年のうちで、品質はやや劣るものの茶葉の収穫量が多い時期のこと。買い付けの値段が下がり、バイヤーさんにとって利幅が大きいという意味での「ベスト」。ダージリン紅茶でも、「この葉っぱ、香りも味も今一歩かな?」と思う商品を時々見かけます。これが「ベストシーズン」ものです。

2.国内産紅茶の目指すもの
「アッサム地方の高品質の茶葉が取れる季節(クオリティーシーズン)は、涼しい春先の1番茶です。」と放送中のお言葉。本当??紅茶通の方なら、1度はアッサムの1番茶は飲まれたことがあるかもしれません。おおよそ、ミルクティーには向かないストレート向け紅茶。コクのないさっぱりとした、アッサム紅茶特有の土臭さや重厚さのかけらもない、アッサムのイメージから最もかけ離れた品質の紅茶です。それが、アッサムファーストフラッシュ。磯淵氏の本や、ルピシ○さんのHPなど、紅茶に関するどの資料をみても、アッサムの高品質茶葉は「セカンドフラッシュ」と明確に記されています。紅茶通の求めるアッサム紅茶は、上記の特徴が最も明確に含まれている茶葉を指すのではないでしょうか?
この放送をチェックして、なんだか国内産紅茶の目指す方向が判ったような気がします。アッサム紅茶の1番茶を高品質とおっしゃる方が紅茶製造に携わると、やっぱりストレート向けの紅茶に仕上がるのではないかと思います。同じ「紅茶」とはいえ、カテゴリーが違うのです。これまでは、一般的な普通の紅茶(ムジカティーさんなど)と、フレーバーティー(ルピシ○さんなど)の2つのカテゴリーに大きく分かれるものと思っていました。両者それぞれ平行線で、住み分けも明確であまり干渉することもありません。それに加えて、第3の紅茶のカテゴリーとして「国内産紅茶」があるのですよ。同じ「紅茶」でも、目指すものが違うのです。確かに、日本人の好みに合うのは、ダージリンやヌワラエリヤなどの、煎茶に似たストレート向け紅茶でしょう。「ストレートで飲んでおいしい紅茶を!」その方向で、国内産紅茶が作られているのだと思いました。

個人的感想ですが、国内産紅茶は飲めない代物が多い。全てとはいいませんが、ミルクティー好きの方は飲んでみて、がっかりすることが多いのが事実でしょう。赤い色の飲み物なので「紅茶」でしょうが、国内産紅茶は、目指す方向が「ストレート向け紅茶」なのです。
10時3時では、ミルクティー向け紅茶が中心のメニューになっています。ヌワラエリヤ、ダージリンなどストレート向けの紅茶もありますが、当面、国内産紅茶には縁がなさそうです。国内産紅茶も、思い切って長ーーい目で見守りましょうか。100年単位で・・。そうすれば地球温暖化の影響で、気候が亜熱帯化し、日差しが強くなり、日本もアッサム地方に似た環境になるかもしれません。そうすれば、ミルクティーにあうようなパンチの効いた紅茶もできるようになるかもしれませんね。

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