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2011年3月25日 (金)

ティーポットの大きさと、ジャンピングについて

前回BLOGのステンレス製の急須について、メールでご質問がありました。

ステンレスティーポット。
ネットで調べたところ、容量が、280ml~600mlまで様々です。
基本的に、一人分しか入れない場合、おすすめのサイズはありますか?
「一人分+ポットのための一杯」必要なので、280mlでは小さいでしょうか?
少々大きくても、600mlのサイズでもベターでしょうか?
(価格が手頃なのが、600mlなのです・・。

以下のようにご回答のメールをお送りしました。(一部省略しています。)

一般的なポットで180ccの紅茶を作る場合、お湯の量が少なく
温度低下が激しいのでおいしい紅茶はできません。
紅茶のことわざの中でよく聞く「ポットのための1杯」というのは、
紅茶抽出時の3分の間に、湯温が低下しないように、
少し多めに作りましょうという意味です。生活の知恵。
1人のときは2杯ですが、4人のときは5杯、という意味ではありません。
また、お湯を入れたときのお湯の面とポットのフタとの間に
少し空間があったほうがお湯が対流(即ちジャンピング)しやすいです。
ティーポットの容量の少なくとも3分の2くらいまで、お湯が入っていて
上に空間があるのがいいかと思います。
従いまして、ご自分の必要量が280ccであれば、
少し空間を作ることを考えて、400ccくらいの容量のポットが
いいということになります。
ステンレス製の場合、陶器やガラス製に比べて軽いので、
280ccでも美味しい紅茶ができると思います。
ポットの重さに比べてほんの少ししか紅茶を作らないと
お湯の熱量に対してポットの素材による吸熱の割合が大きいので
あまりおいしい紅茶は期待できません。
要は、バランスのお話です。

(メールに書いていませんが、以下補足説明です)
対流は、上面のお湯が蓋との隙間の空気に触れて冷え、底面の温度と上面の温度に差ができると発生します。(お風呂のお湯と同じです。)この対流の流れにより、紅茶の葉が浮き沈みする現象が、いわゆる「ジャンピング」です。紅茶の場合、お湯の中に溶存空気があると、その気泡が紅茶の葉に付着し、「浮き輪」の役目を果たして茶葉が浮きやすくなります。新鮮な水道水を使うのは、この気泡が必要だからです。
乾燥した紅茶の葉が熱湯に触れ水分を含み広がろうとするときに、「ジャンピング」することによって、「撚り(より)」が戻りやすくなります。特にオレンジペコ(大きな茶葉)の場合「ジャンピング」して、茶葉同士が離れ離れになることで、開きやすくなります。
ただ、間違っていけないのは、「ジャンピング」という現象よりも、抽出時のポット内のお湯の温度をいかに高温に保つかということが、おいしい紅茶を淹れる上で、はるかに重要です。紅茶の本などには必ずジャンピングの写真が
載っていて、いかにも重要そうな文章が書かれていますが、これは読者に対して視覚的に訴えるための、本の制作、販売上で必要な部分。本質的には、ティーポットの予熱、一度に作る紅茶の量、ティーポットの材質や大きさや重さとつくる紅茶の量のバランス、といった写真に写りにくい部分、見えにくい、説明しにくい部分のほうが、美味しい紅茶を淹れる上では何倍も重要なのです。(このあたりを力説しても、売れる本にはならないでしょうけどね。)この熱量についての内容が理解できていれば、道具を問わず、TPOに合わせたおいしい紅茶をつくることができるのではと思います。

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