手鍋を使って、カップ1杯分の紅茶を作る方法
「先生、熱湯をやかんでなくて鍋で沸かして、紅茶の葉っぱを鍋に直接入れたらダメなんですか?ティーポットは必要ですか?」
数年前のクッキングスクールの生徒さんからの質問。鋭いご指摘です。
「もちろんできます。2時間目の実習は、ティーポットの方法、鍋の方法の2通りをやります。」と、お答えしました。
私は、ティーポットを使う紅茶を飲むようになったのは、前回BLOGの「紅茶の本」に出会ってから。それ以前は、鍋を使っていたのですね。鍋のほうが、作るのも洗うのも簡単なのですが、なぜか紅茶の正式な淹れ方はティーポットを使うことになっています。おしゃれとか、格調高いとか、日本紅茶協会が高級なイメージを大切にしたい紅茶関連の企業の集まりだから(?)など色々な理由があるようです。この歴史あるティ-ポットを利用することが、かえって紅茶の普及を妨げている気がします。歴史は、史実として重んずる必要はありますが、現代には現代の事情があり、新しい方法があってもいいのでは?と思いますね。ちょうど、日本の文化、歌舞伎の世界でも、伝統は大切にしつつ海外公演をする時代です。紅茶も、すこしティーポットから離れてみると、気軽に紅茶がいただけるようになるのではないでしょうか?
鍋を使うときの、とても良い利点は、鍋を火にかけてお湯を沸かすので、鍋の予熱が既に完了してて、ひと手間省けること。ティーポットの予熱は、使う人の紅茶の経験(スキル)の差が顕著にでるため、使うティーポットの種類や作業する人が変わると、出来不出来のばらつきが激しくなります。その点、鍋を使えば、必ず鍋は100度になります。経験の差が出てこないので、誰がやっても同じ結果になるのです。
沸騰した熱湯の中に茶葉を投入することで、後は3分待つのみ。これでおいしい紅茶ができます。火は必ず消します。時間がなくて、弱火にすると1分で出来るかなと思ったら、渋くなったりして失敗しますね。いつも同じ濃さの同じ仕上がりにしようと思えば、必ず火は消しましょう。そして3分という時間を4分、5分と変えることで濃さを調節します。あまり難しいことはありませんので、誰でも簡単にできると思います。あえて難しい部分を言えば、沸騰したら蒸発しやすいので、5円玉位のの泡が出てきたらすぐに火を止め、茶葉を入れることぐらいでしょう。
手鍋を使って、カップ1杯分の紅茶を作る方法
1.ティーカップにすり切れ1杯のお湯(または水)をはかり、きれいな鍋に入れます。
2.1の鍋をコンロにかけ、沸騰させます。
3.5円玉位の泡が出てきたら、火を止め、ティースプーン1杯分の茶葉を入れます。
4.軽く鍋をゆすり、ふたをして3分間待ちます。
5.出来上がった紅茶を茶漉しを通してティーカップに注ぎます。
カップ数が多ければ、お湯の量と茶葉の量を比例させます。
待ち時間は3分で変わりません。とても簡単ですね。
荒木安正氏の著書「紅茶の世界」では、「煮出し法」というタイトルで書かれています。
注意したいのは、タイトルそのままに、グツグツと茶葉を煮るのではないということ。
255ページ(初版)の煮出し式ホットティーの説明の冒頭に、
「煮出し式」(厳密には、「余熱を利用して、効率的にムラす方法」・・・)
とあるように、茶葉を入れたら火を消すことが大変重要です。煮立てると茶葉のタンニンが分解して「ピロガロール酸」という成分が出て、いやな苦味が生じ、水色も悪くなるそうです。また、必ずフタをして、香りを逃がさないこと、蒸発や茶葉の水分の吸収を考慮して最初のお湯の量を若干(10%程度)多めにするのも重要です。
荒木安正氏の本では、2杯分の記述ですが、1杯でも同じ方法で可能です。
今回の鍋を使った方法について、堀江氏の「紅茶の本 決定版」には、
ティーポットを主眼にして書かれていますので、詳しくは書かれていません。アイスティーを作る際の熱い少量の紅茶が必要なときということで、厚手のホーロー鍋を使った方法が、巻末の写真解説(218ページ)で掲載されています。
9月25日のBLOGでご紹介しましたお客様が、2週間ぶりに再訪されました。
「家にホーロー鍋がありましてね、お湯沸かして直接葉っぱを入れたら簡単でした。
後片付けも楽ですし、毎日紅茶作ってます。」と、笑顔でお話されていました。
ありがとうございました。
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