熱湯を茶葉にブチ当てる!
諺ではありませんが・・・、
荒木安正さんという紅茶研究家の書かれた本を、読んだことがあります。タイトルはたしか「紅茶技術講座」だったと思います。かなり高価な厚い本です。紅茶の淹れ方の項でこのような記述がありました。(うる覚えですが、このような内容でした。)
「紅茶の茶葉に、完全に沸騰した熱湯をブチあてて、適切な時間蒸らすこと。方法は各人工夫せよ。」
簡潔明瞭。余計な話は一切なし。名言だと思います。
道具はこれこれを使ってとか、ティーポットの形がどうの、ジャンピングが云々など、読者の好きそうな記述は何もなし。ほかの箇所に記述があったかもしれませんが、
必要なのは紅茶の茶葉、沸騰した熱湯、蒸らし時間。それだけ。後は自由です。
「ブチあてて」というのがおもしろい表現ですね。普通に考えると、高いところからお湯を注いで茶葉を運動させよ!という意味だと思えるのですが、高いところからのお湯の勢いが3分間も続くとは思えません。確かに、茶葉を大きく動かして、乾燥した茶葉が水分を含み、よりが戻るための手助けをするのも大切です。また、大きく運動し、茶葉が広がるための空間も非常に重要です。が、「ブチあてる」の、私なりの解釈では、「茶葉にショックを与えよ!」ということだと思うのです。
山椒の葉は、手のひらで叩くと葉っぱの中の香りのカプセルが弾け、香りが出ます。
フレッシュミントのハーブティーも同様、ミントの葉を使う前に手のひらで叩きます。
紅茶の乾燥した茶葉は、手のひらで叩けないので、熱湯で叩く!
茶葉にショックを与えることで、茶葉の中の香りのカプセルが弾け、紅茶の香りが広がるのではと、思うのです。
荒木安正さんの著書を読むと、「紅茶は香気が命である」と盛んに強調されています。香気は、良質な茶葉に、熱湯を「ブチあてる」ことで生まれてくるのではないかと思いますね。
荒木安正さんの、その後の著書「紅茶の世界」(初版)が、図書館にありました。
調べてみますと、紅茶の淹れ方は、後半に約25ページにわたり書かれていました。
内容は、ゴールデンルール、ティーバッグ紅茶、アイスティー、煮出し法、ロイヤルミルクティー、バリエーションティーなど。とても詳しく書かれています。
その中で、今回のBLOGで取り上げた「ブチ当てる」は、249ページに、このような記述で書かれていました。
「完全に沸騰させた熱湯を、ポットの中の茶葉に勢いよくぶっかけてから、すぐにポットのフタをする。そして、適正な時間で充分に茶葉を蒸らす必要がある。・・・」
やっぱり「熱湯を茶葉にぶっかける」のですね。おもしろいです。
また、ゴールデンルールの最後、245ページに次のような説明があり、
完全沸騰した熱湯の温度を下げないように、特に注意を喚起されています。
「この際、最も注意したいのは、「熱湯の温度がすぐに下がる」点である。・・・」
この後、諺の「ポットをケトルに・・・」の説明があります。
やはり、完全沸騰させた熱湯の温度は、紅茶抽出のキーポイントのようですね。
で、経験上、私が最も重要だと思うのは、やはり予熱。
前回のBLOGの諺のお話のなかの、
1.の「ポットのための一杯」も、予熱されたポットのほうがより熱く仕上がります。
2.の「ポットをケトルに・・・」も、予熱なしのティーポットだと、抽出時の湯温がてきめん下がります。
3.の「地獄のように熱く・・・」も、熱く仕上げるという作業手順のなかに、予熱が含まれています。
今回のお話も、完全沸騰のお湯の効果を守ろうとすると、充分な予熱が必要です。
というわけで、10時3時では、
おいしい紅茶を淹れるには、完全沸騰の熱湯を使用することを前提として、
「ティーポットの予熱が最も重要です!」
ということを強く主張します。(少々強引かなぁ・・・)
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