« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

2008年9月

2008年9月25日 (木)

栗ときな粉のパウンドケーキ

Kuri5 前回のBLOGでご紹介しました栗の甘露煮を使って、
秋らしいパウンドケーキをおつくりしました。1ピース150円です。

きな粉と栗は、意外と相性がいいですね。
作り方は、後ほど10時3時のホームページにも掲載します。

混ぜるだけで簡単なので、
どなたでも簡単にお作りできるのではないかと思います。
入手困難だったバターも、この頃はスーパーなどの店頭で良く見かけるようになりましたので・・・。

通常のパウンドケーキの材料
バター(室温)100グラム
砂糖     100グラム
全卵(室温) 2個
薄力粉    100グラム 

今回のケーキの場合は、薄力粉を25グラム減らし、きな粉を25グラム追加し、
栗の甘露煮150グラムを粗く刻んで生地に練り込んでいます。
また、10時3時にはハンドミキサーがないので、ベーキングパウダーも3グラム追加しました。

作り方 1.室温のバターを泡だて器でよく混ぜ、ふるった砂糖を数回に分けて入れ、よくすり混ぜます。
2.バターと同じ温度の、ときほぐした卵液を、数回に分けて1に入れ、よく混ぜます。
3.ざるでシロップを除いた栗の甘露煮を粗く刻み、2に入れます。
4.薄力粉、きな粉、ベーキングパウダーを一緒にしてふるい、数回に分けて3に入れ、カードで軽く混ぜたら、オーブンペーパーをセットしたケーキ型に流し入れます。
5.オーブンを170度に予熱した後、約45分焼きます。

ハンドミキサーで卵を泡立てるやり方とは少し違いますが、食欲の秋らしく、ずっしりと重い食べ応えのあるケーキになります。お試しください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年9月12日 (金)

栃の実のあく抜き

ご注意・・・今回の栃の実のあく抜きの内容は、失敗例を含んでいます。参考例として最後までお読みいただいて、実際にあく抜きをされる場合には、実の大きさや処理に許される許容時間など、それぞれにお考えいただきますよう、お願い申し上げます。

8月31日(日)の朝、近所のスーパーFGからの帰り道、平和大通りと中央通りの交差点の植え込みで、風に乗ってばらばらと落ちてくる木の実と遭遇。栗によく似ていますが、ちょっと違っていました。栃の実でした。今年は天候がよく、栗などの木の実も豊作のようです。
Totinomi栃の実は、そのままでは食べられず、あく抜きも大変なことは承知していましたが、最近の食料品の値上がりラッシュを見るにつけ、ひょっとしたら将来、栃の実にもお世話になるかもと思いまして、お遊び半分、実体験半分で、あく抜きをやってみました。縄文時代の人たちは、あく抜きしてちゃんと食べてたんですよね。

1日目・・・外皮を取り、天日で丸1日乾燥させます。25個くらい、重さにして250グラムです。
2日目・・・水につけ、丸1日置いておきます。鬼皮がやわらかくなります。水に浮くものは捨てましょう。
Totinomi13日目・・・鍋に水を張って栃の実を入れ、1度沸騰させます。これで中に虫がいても死にます。お湯を捨て、実を自然冷却させ、ナイフで鬼皮を取り去ります。鬼皮は固いので気をつけて。軍手もしましょう。鬼皮を取りますと、正味150グラムになりました。
取り出した黄色い実は、ホクホクではなく、少しねっとりしている感じ。小さなかけらを一口かじるととても渋く、口の中が大変な事態に。1時間くらい胸焼けがとまりません。
Totinomi2Totinomi3  取り出した実を5ミリ角くらいに刻んで、ネット(みかんなどが入っていた赤い網)に入れ、水の中に浸します。水に入れた途端、水の色が黄色く変色していきます。水の中で実を揉むと、大量の泡(あく??)が・・・。ボールの中の水を1時間毎に入れ替えます。これは石鹸か?と思うくらいに次々と泡が出つづけます。夜は水に浸したまま、帰宅しました。
Totinomi4 4日目~・・・相変わらず、1時間毎の水の入れ替え作業。栃の実せんべいを作っているような場所だったら、ネットを清流の中に入れたまま数週間放置するそうです。街中ではちょっと難しいですね。
石鹸ができる前は、栃の実は石鹸の代わりに用いられていたようです。なんだか手がつるつるになってきました。
そして、思いがけない朗報が。泡だった水のなかにティーポットやカップをつけておくと、茶渋がきれいに落ちるということが判明しました。漂白剤は、食器に漂白剤の匂いがつくのであまり好きではありませんでした。栃の実を使うとちょうどいい感じかもしれません。誰もやらないことをやってみると、色々発見があって面白いです。もしかして特許が取れたりしてね。(・・・既知の事実でした。)

Totinomi5 6日目・・・少し変化が現れました。あまり泡が出なくなり、水の色が薄い黄色ではなく、白濁してきました。ボールの底のほうに白っぽい沈殿物が。たぶん澱粉でしょう。砕いた実はやや白っぽくなり、小さなものは指で押すとつぶれるくらい、大きなものは固いままです。あくの残っている実が混ざるといけないので、もうしばらく水につけることにしました。水の中で砕いた実を揉むと、小さな実のかけらが分離して赤いネットから逃げていきます。澱粉質も水に溶け出すと、出来上がりが素っ気ない味になるのではと、ちょっと心配。
Totinomi6 コーヒー用のペーパーフィルターで試しに濾してみるとこんな感じ。おいしそうなのでたべてみました。最初は甘くていい感じだったので、ぱくりといったのですが・・・喉もとを過ぎるころから・・・じんわりと渋みがきて・・・だめでしたぁ~。)
結局、大きな実のままで水につけると、実の中心まで水が浸透するのに時間がかかるので、色々なHPに書かれているように2週間から1ヶ月近く清流に浸しておくということになるのでしょう。(水と触れることで、水溶性タンニンが実から出て行きます。)また、今回のように、実を小さく砕いて水につけると、実の中に早く水が浸透するので、1週間程度でいいのですが、実が水の中で小さく分解して量が減り、また、栃の実の澱粉質やおいしさが、水に出て行きやすいということですね。Totinomi7
  7日目(9月6日)・・・栃の実を水につけて丸5日。昨日と同じように、水の中で実を揉んでいると、なんと、ほとんどの実が粉々になって分解し、あっという間にネットから流出。全体の1割くらいが固いままでネットの中に残り、後は微粒子になって水の中を漂っています。固形物がほとんどなくなるという予期せぬ出来事にア然!とし、どうしたものかとしばし模索。

Totinomi8とりあえず、網目の違う茶漉し2種類を使って、微粒子を回収。ネットの固形物は、水の中でスプーンの背でつぶして溶かし、それでもなお固い実は、エグ味が取れていないので、今回は捨てました。(何週間も待てないので。)
ここで、重曹を使ってみましょう。本来なら、広葉樹の木の灰を使うそうですが、手元にないので代わりに重曹を使います。重曹を使うと、あく抜きと同時に、繊維質がやわらかくなるそうです。水と重曹の割合がわからないので、蕨のあく抜きのHPを参考に。熱湯1リットルに対して重曹を小さじ1(3グラム)の割合にします。
Totinomi9 マグカップに熱湯を注ぎ、重曹を入れて、その上から、微粒子が入った状態の茶漉しをそのままカップの中に沈めました。このほうが、この先繰り返し洗ったりするの簡単だと思うので。このまま1晩放置して様子を見ます。
8日目・・・丸1日経って中をのぞいてみますと、粗いほうの網目の茶漉しに入っていた実が、なぜか半減しています。重曹の効果で実がやらかくなって分解し、カップの底に微粒子が沈殿していました。沈殿した微粒子を、もう1つの細かい網目のカップへ移して、カップの中の重曹の水を捨て、軽くすすぎ、再び熱湯+重曹の液に実を茶漉しごと沈めました。
9。10日目・・・昨日と同じことを繰り返しました。
11日目(9月10日)・・・粗いほうの網目の中の実は、ほとんどなくなってしまいました。細かい網目の側も、少し微粒子が減っています。このままだと何もなくなってしまうので、軽くすすいで、食べれるかどうか少量を試食。渋み、エグみはほとんど抜けていますが、味も何もないただのペースト状の微粒子って感じです。ここで渋抜き作業はおしまいにしました。出来上がり量は、50グラム弱。これは、結局、小さく刻んであく抜きをしてはいけないってことですね。5ミリ角の実がたくさん残ることを想定していたので・・・どう使おうかなぁ。
Totinomi012日目・・・出来上がりの状態がペースト状のため、蒸らして使うということができないので、お店にあったお団子の粉と半々の割合で混ぜて、練り込んで使うことにしました。
長い長い道のりでしたが、ようやく出来上がりました。栃の実入りのお団子!(たったの8個!!)。
写真左の小さなのが栃の実入りで、写真右の大きくて白いほうはお団子の粉100%。栃の実入りのお味のほうは、渋みもなく、素朴で温かみのある感じでした。感無量です。
Totimoti もうすぐお月見なので、きな粉をまぶしてお月見団子にしていただきました。

おまけ・・・あく抜き後、下水道のごみ処理装置グリストラップの掃除をしたところ、下水管の配管内の汚れ、水垢がきれいに取れていることがわかりました。栃の実のむき実を、何個か下水管の入り口に置いておくと、配管内がきれいに掃除できそうです。

2015年9月15日追記・・
民俗学者の宮本常一さんの著書に栃もちの作り方の記述がありました。最新BLOGにUPしました。ご参考までに。
http://tearoom1003.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-46ca.html

| | コメント (22) | トラックバック (0)

2008年9月 8日 (月)

マレーシア産サバティー

Sabahtea ご近所のYさんから、海外旅行のお土産品をいただきました。マレーシアのボルネオ島サバ州産のサバティー(SABAH TEA、漢字表記だと沙巴紅茶)です。ありがとうございました。
昔、ティーバック入りのサバティーは飲んだことがあるのですが、リーフティー(BOPF)は初めてです。早速試飲しました。
マレーシア産BOH紅茶とよく似た感じの香りで、少し濃く出るようです。ミルクを入れるとよくあいます。飲んだ時の印象は、パッケージのイメージが強いのでしょうか、湿度の高い熱帯雨林のジャングルの中をさまよっているような感じです。特別に香りや味に特徴のある紅茶ではありませんが、毎日飲んでもあきない紅茶です。50グラムいただきましたので、ご希望のお客様はお申し付けください。(お茶っ葉キープ扱いで300円でお出しします。)
10時3時のメニューにBOH紅茶があります。マレーシア産は珍しいので、お客様から、どんな感じの紅茶なのかよく聞かれます。「普通の紅茶です。が、紅茶をよく(=頻繁に)お飲みになる方でしたら、おいしさがわかっていただけるような、よくできた紅茶です。」とお答えしています。このたびのサバティーも、同じですね。ごく普通に飲めるリーフティーの割合が、全体の流通量からして非常に少ないので、ある意味「普通の紅茶」は褒め言葉なのですが、普段あまり紅茶をお飲みにならない方には、香りや味の強い印象が残らないので、物足りないかもしれません。
最初、お店を開店するときの紅茶の品揃えには、本当に困りました。今回のように、紅茶通にしかできのよさがわからない種類の紅茶(例えばディンブラやBOH)は、「おいしかったね」とはいうものの、家で飲んでいる紅茶(例えばLIPTONティーバッグ)と大して変わらないので、広く一般のお客様を対象にした喫茶メニューとしては成り立たないのです。趣味の店だったら、いいのですが・・・。結局、紅茶ファンが倍増して普通の紅茶のよさがわかっていただけるお客様が増えてきた段階で、メニューに入れることにしました。昨年、BOHはメニューに採用しましたが、今のところディンブラは裏メニュー扱いになっています。ご希望のお客様は、お気軽にお申しつけください。(あと10年くらい経てば表メニューになるでしょう。)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »