食とはなにか
広島クッキングスクールのフードコーディネーター23期生の方から「食とはなんでしょうか?」という質問がありました。突然だったのでちょっと考えましたが、このように答えました。「食とは回数を食べること。味覚(舌)は色々な物を食べた回数でしか肥えないので、なんにでもトライしてチャンスがあればどんどん食べましょう」と。
同じ木になっている柿でも実のなっている場所で柿の味が違います。今日のみかんと明日のみかんの味は違います。繰り返し回数を重ねる中から、完熟品や物の良し悪しが分かってきますし、その食べた結果が心身を形づくって行きます。決して1回だけではわからないと思い、このように答えました。
また、前回のBLOGの続きになりますが、ぶどう「バラディー」と「ダージリン」とを結びつけたのは、色々な果物を食べることのできる環境に身をおいて、日々貪欲に食べ続けていたことの結果です。目の前に食べたことのないぶどうがあっても、紅茶にしか興味のない人だったら、「バラディー」を口にすることはなかったかもしれません。色々な物を食べ続けた先に、感動的な出会いがあるものです。おいしいものに出会ったときは、「おぉー!」っと声を上げたり、笑顔になったり、鳥肌が立ったりして、後からでもそのときの光景をはっきりと思い出すことができます。たった一度の出会いであっても鮮明によみがえります。
限られた品種しか流通ルートに乗らないことも知っておく必要があると思います。いくらおいしいものでも、小売さんは自分たちの利益のならない商品は置きません。逆にあまりおいしくなくても、知名度があり利幅の大きい高額商品は重宝され店頭に並びます。また、農作物の品種改良は、収穫後の日持ちを長くすること、甘くて食べやすいこと、贈答品の需要がある時期にちょうど収穫できる見栄えのよい品種を作ることなどが重要視されます。それぞれのひとの立場があり、その中に埋もれ出回らない農作物がなんと多いことでしょうか。
食は回数です。チャンスがあれば、もれなく食べてください。そして頭だけで理解するのではなく、実際に五感を働かせて、全身で味わって感じてください。
ケーキ屋さんを1件ご紹介します。以前廿日市にあったお店が8月に広島市中区銀山町に移転しました。
「ムッシムパネン」・・・http://blog.musimpanen.com/
ムッシムパネンは、インドネシア語で収穫期だそうです。食を実感するケーキ屋さんです。
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