« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »

2007年9月

2007年9月28日 (金)

食とはなにか

広島クッキングスクールのフードコーディネーター23期生の方から「食とはなんでしょうか?」という質問がありました。突然だったのでちょっと考えましたが、このように答えました。「食とは回数を食べること。味覚(舌)は色々な物を食べた回数でしか肥えないので、なんにでもトライしてチャンスがあればどんどん食べましょう」と。
同じ木になっている柿でも実のなっている場所で柿の味が違います。今日のみかんと明日のみかんの味は違います。繰り返し回数を重ねる中から、完熟品や物の良し悪しが分かってきますし、その食べた結果が心身を形づくって行きます。決して1回だけではわからないと思い、このように答えました。
また、前回のBLOGの続きになりますが、ぶどう「バラディー」と「ダージリン」とを結びつけたのは、色々な果物を食べることのできる環境に身をおいて、日々貪欲に食べ続けていたことの結果です。目の前に食べたことのないぶどうがあっても、紅茶にしか興味のない人だったら、「バラディー」を口にすることはなかったかもしれません。色々な物を食べ続けた先に、感動的な出会いがあるものです。おいしいものに出会ったときは、「おぉー!」っと声を上げたり、笑顔になったり、鳥肌が立ったりして、後からでもそのときの光景をはっきりと思い出すことができます。たった一度の出会いであっても鮮明によみがえります。
限られた品種しか流通ルートに乗らないことも知っておく必要があると思います。いくらおいしいものでも、小売さんは自分たちの利益のならない商品は置きません。逆にあまりおいしくなくても、知名度があり利幅の大きい高額商品は重宝され店頭に並びます。また、農作物の品種改良は、収穫後の日持ちを長くすること、甘くて食べやすいこと、贈答品の需要がある時期にちょうど収穫できる見栄えのよい品種を作ることなどが重要視されます。それぞれのひとの立場があり、その中に埋もれ出回らない農作物がなんと多いことでしょうか。
食は回数です。チャンスがあれば、もれなく食べてください。そして頭だけで理解するのではなく、実際に五感を働かせて、全身で味わって感じてください。

ケーキ屋さんを1件ご紹介します。以前廿日市にあったお店が8月に広島市中区銀山町に移転しました。
「ムッシムパネン」・・・http://blog.musimpanen.com/
ムッシムパネンは、インドネシア語で収穫期だそうです。食を実感するケーキ屋さんです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月25日 (火)

マスカットフレーバーのぶどう「バラディー」到着

前回のBLOGでご紹介しました岩国松宮ぶどう園の「バラディー」が、10時3時に到着しました。
Baladi2resize 実際にぶどう園を訪問されました広島市佐伯区の倉田様のご好意により、1房を分けていただけることになりました。「みなさんでどうぞ」とのことですので、このBLOGをご覧になって食べてみたいなと思われる方は、先着20名様程度ですがお試しいただけます。「BLOGをみたんですが・・・」とお声をかけていただけたらと思います。
私が以前食べたものよりは、ぶどうの粒も房も大きく立派なのもです。栽培の難しいぶどうだそうで、ぶどう園の方の愛情が良く伝わります。
なお、ぶどう園まで自動車で行かれる場合、ぶどう園HP案内図の中の
国道188号→中電発電所横信号→岩国南バイパス→ローソンのルートが分かりやすいそうです。今後、ぶどう園を訪問される予定がある方はご注意ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月22日 (土)

マスカットフレーバーのぶどう「バラディー」

今日は紅茶の香りについて。
お客様から、「この紅茶はどんな感じですか?」と聞かれた場合、おおよその模範解答なるものがあります。アッサムは濃いミルクティー向けで深まりゆく秋にぴったりですとか、ラプサンスーチョンは正露丸紅茶?などなど。この模範解答では、ダージリンは、よくマスカットフレーバーと例えられます。マスカットは黄緑色の夏に出回るぶどうです。でも、かなりの紅茶通の人がダージリンの紅茶を飲んでも、「マスカットのぶどうの香りによく似ていますね」という感想は、残念ながらありません。
一般のスーパーで販売している黄緑色のぶどうの品種は、「マスカットオブアレキサンドリア」や「ネオマス」という品種です。これらのぶどうでは、ダージリンの香りのイメージとはちょっと遠いですね。では、そのほかの黄緑色のぶどうを皆様は何かご存知ですか?
Baladi 中近東レバノン原産のぶどうで「バラディー」という品種があります。10時3時のお店を出す前の青果市場勤務の時期に、この「バラディー」を食べた瞬間、私の頭の中で「ダージリン」と「バラディー」とが結びつきました。いまだ食べたことのないぶどうは、世界中に山のようにあるでしょう。が、私の青果市場での経験を通じたなかでは、この「バラディー」という品種が、最もダージリンの「マスカットフレーバー」に近い品種です。

さて、一般の流通ルートであまりおみかけしない、この希少品種「バラディー」を扱っているぶどう園をインターネットで発見しましたので、ちょっとご紹介しておきます。ココ以外では山梨県や愛知県のぶどう園に少々あるくらいです。
岩国松宮ぶどう園 ・・・http://www.sky.icn-tv.ne.jp/~matsugrp/index.htm
電話でお尋ねしたところ、ピオーネやベリーAのぶどう狩りはできるそうですが、「バラディー」は園内での店頭販売のみだそうです。また終了まぎわのため、今ならまだありますが、9月いっぱいは難しいそうで、こうなるとチャンスはこの連休(22~24日)が最後になります。紅茶好きで連休の予定がまだ決まらないあなた、さっそく岩国までおでかけして「バラディー」を試してみませんか?食べ物の出会いのチャンスは、そう多くはありません。(次は来年の8月です。)

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月16日 (日)

おいしい20世紀梨の見分け方

まだまだ広島ではお昼の気温が30℃を超え暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?暑い日の水分補給には、この季節は梨がおすすめです。広島では梨といえば、ほとんど20世紀梨のことを言います。
Nashi2resize_2 20世紀梨のおいしい見分け方ですが、大きくて重たいもの、また、軸の周りが盛り上がっているものが良いでしょう。梨は芯の周りの酸味が強いので、りんごの時よりは芯を少し大きめに切り取ります。梨が小さいと切り取る部分が多いので、食べるところがなくなってしまいます。また、軸の周り(俗に言う「肩(かた)」)の盛り上がりは、果物全般に共通した確認方法です。りんご、メロン、すいかなど、いろいろと応用ができますので覚えておくと便利です。
Nashi1resize_2  梨は収穫時から日にちがたつにつれて、表面の色は薄くなり、果肉はやわらかくなり、味は甘みが増します。お好みの頃合いをみて、お召し上がりください。ただし、梨の表面に黒い斑点があるものは、傷みやすいので、早めにお召し上がりください。(黒班病といいます。)梨は、体を冷やす作用がありますので、食べすぎにはご注意を。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月10日 (月)

ティーバッグ紅茶のおいしい淹れ方

先週のBLOGでご紹介したマレーシア産のBOH紅茶で、10時3時で初めてティーバッグをお取り扱いすることになりましたので、今回はティーバッグついてのお話を。
Teabag1resize ティーバッグのときもリーフティーと同じように、最初の器具の予熱が非常に肝心です。ティーバッグの品質や、水の良し悪しにこだわる前に、まず「ティーカップに熱湯だけを注いで30秒くらい待つ。」ということを一度実行されてみてはいかがでしょうか。これだけで、劇的においしい紅茶に生まれ変わります。(この予熱用の熱湯は予熱のためだけに使います。)また、予熱のし易さからいえば、重たいマグカップよりも軽めのティーカップの方が温まりやすいのでおいしくできるでしょう。これは経験上いえることなので、従来の考え方と多少違う点があるかと思います。

Teabag2resize ティーバッグ紅茶のおいしい淹れ方
1.ティーカップに熱湯だけを注いで30秒くらい待ちます。
2.1のお湯を捨てます。
3.ティーカップが冷めないうちにもう一度熱湯を注ぎます。
4.ティーバッグをカップの縁から滑り込ませるようにして入れます。
5.ソーサーでふたをして約1分くらい(ティーバッグの表示時間)蒸らします。
ティーバッグを入れた後にお湯を注ぐと、ティーバッグの中の空気が抜けませんので、手順通りにお湯を注いだ後に、ティーバッグを横から静かに入れましょう。
また、ティーカップ1杯につき、ティーバッグ1個を使います。(非常に重要です!!)
リーフティーの場合の作り方は、10時3時ホームページをご覧ください。
http://homepage3.nifty.com/tearoom1003/

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年9月 7日 (金)

マレーシア産BOH紅茶はじめました

Bohleaftearesize 10時3時の紅茶メニューに、また新たな1品が追加になりました。マレーシア産の紅茶でBOH(ボー)といいます。東南アジア方面に旅行に行かれる方はご存知かと思いますが、収穫量の少なさから、日本ではあまり見かけることができない紅茶です。私がはじめてBOHに出会ったのは、15年くらい前だと思います。シンガポール旅行のお土産品(ティーバッグ)でしたが、その衝撃的なおいしさは今でも忘れることができません。
実は10時3時では、2000年の春から夏にかけて臨時メニューとしてお出ししていたことがあり、久々の登場なのですが・・・。当時は、世界の紅茶を色々と飲んでみましょうという企画で、Jacksonsのアールグレイや、HarrodsのNo.14などの「1度は飲んでみたいなー」と思う有名な紅茶をお出ししていました。
Bohcuptearesize 今回は正式なメニューとして店内でお飲みいただけるのと同時に、常時ご利用いただけるように茶葉もリーフとティーバッグを販売いたします。末永いお付き合いのほどを、よろしくお願い申し上げます。
BOH紅茶(キャメロンハイランドGoldBlend)
喫茶店内紅茶カップティー・・・350円、ティーポット・・・450円
  裏メニューアイスティー・・・450円・・・BLOG読者限定サービスです。
茶葉(BOPF)150グラム缶入り・・・1300円、50グラム袋入り・・・500円
      ティーバッグ25袋入り・・・ 650円、     5袋入り・・・150円
商品パッケージもセンスがいいので、お土産品としてもご利用いただけると思います。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年9月 5日 (水)

プルーンの見分け方・ジャムの作り方

今日は、クッキングスクールで果物の授業をしましたので、その中からおいしいプルーンについてのお話を。
Pruneresizeプルーンは、鉄分や食物繊維を多く含み、女性に人気の果物です。ドライフルーツではなく生のプルーンも、近年多く出回っています。見分け方ですが、表面の紫色が濃く、プルーンを指でつまんだときに、ほど良い弾力性のあるものを選びましょう。これは、ぶどうの選び方と同じですね。完熟品は、桃の皮がきれいにむけるときと同じように、皮が気持ちよくむけ、中の実の色が橙色をしています。未熟だと実の色は緑色をしていて、ほど良い甘さがありません。

大きさは品種によってまちまちですが、大きめの品種のものを選ぶと食べやすいです。写真は、長野産のスタンレイという9月上旬頃に出回る品種です。スタンレイは小粒のものが多いですが、1パックに7粒くらいしか入っていない大玉もあります。そのほかの大玉の品種としては、8月下旬頃に出回るバーバンクグランドプライズ、9月下旬頃のプレジデントなどがあります。

Prunejamresize プルーンのジャムの作り方 
材料 プルーン・・・大玉の品種3パック(約1.2キログラム)
    砂糖・・・プルーンの重さの25%(300グラム)
    レモン果汁・・・レモン2分の1程度
作り方 1.プルーンの皮と種をとり、実を粗く刻みます。
     2.1をミキサーにかけます。
     3.2を鍋に入れ、砂糖をまぶしてよく混ぜ、2時間くらい放置します。
     4.3を中火にかけ、沸騰したら弱火にしてあくをとります。
     5.4にレモン果汁を入れ、再び煮詰めていきます。余熱で固くなるので早めに火を消します。出来上がり量は、600グラムくらいです。
プルーンは実が少し固いのでミキサーにかけたほうが作りやすいです。また、あくがたくさん出ますので、一生懸命にすくいましょう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2007年9月 2日 (日)

いちじくのジャム

Ichijiku1resize 9月に入り、いちじくの出回る季節になりました。簡単に作れますので、ぜひTRYしてみましょう。いちじくは傷みやすいので、なるべく新鮮なものを、また、表面を手で触ってみて少し弾力性のあるものを選びます。まだ割れてなくて緑色っぽいものは未熟です。

Ichijiku2resize 材料 いちじく・・・中サイズ4パック(約1.2キログラム)
    砂糖・・・いちじくの重さの25%(300グラム)
    レモン果汁・・・レモン2分の1程度
作り方 1.いちじくは洗って表面の皮を剥ぎ、ざく切りにします。
Ichijiku3resize  庭のいちじくを使うときには、虫がいないかを良く見ましょう。
2.1を鍋に入れ、砂糖をまぶして混ぜ、2時間くらい放置します。
3.2を中火にかけ、沸騰したら弱火にしてあくをとります。
4.3にレモン果汁を入れ、再び煮詰めていきます。余熱で固くなるので早めに火を消します。出来上がり量は、600グラムくらいです。

作り方2~4は、ジャムの作り方の基本で、いちごやりんごなども同じ手順です。
砂糖は、最初から多く入れると修正できませんので、少なめで始めて、味を見ながら後から追加するほうがよいでしょう。今回は、いちじくが糖分を多く含んでいますので、砂糖は最初から少なめにしました。一般的には、砂糖の量は、果物の重さの50%くらいです。

また、作り方4では電子レンジを活用すると簡単です。鍋の中身を耐熱容器(または丼鉢)に移し、レンジ弱(200W)に5分ずつくらいかけて、かき混ぜて様子を見ます。レンジ弱の機能は、弱火でコトコト煮るのと同じです。暑い夏にガスコンロの前に立つことを考えると、レンジ弱を使わない手はありません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2007年8月 | トップページ | 2007年10月 »